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INORIについて思うこと1

6月 10th, 2010 | By | Category: TREE, じゆうじんの「おと」, ミュージカルカンパニー 「ワンダーラー」
ミュージカルカンパニー ワンダーラー にて4月に公演を行った「INORI」でおいらは作曲・編曲(オケ編曲協力:中島氏)を担当して、おそらくあの規模としては成功したんだと思うのよ(運営側でないのでよくわからん) まともな作曲・編曲群は10年のブランクがあって、いや正直何が作れるんじゃ? とか思わないわけはなく、んでもその割になぜか確固たる「自信」と「確信」が、台本を見る前からあったのが不思議でしょうがない。 客入れから客出しまで全曲オリジナル。合計およそ90分。Mナンバー28、楽曲数40越え。 せっかくなので制作秘話みたいなのを書いてみようかと思うお。 長くなりそうなので、とりあえず第一弾。 他の劇版作家さんの状況を知らないが、この「INORI」は原稿用紙2枚分ぐらいのあらすじだけが存在した時点から出発し、ラストにプリッツェルとジュニパーが歌う「輝いた貴方の時/あなたの忘れない(2009/2/17 作成:当時ソロ曲)」と1幕で主要死神4名が歌う「君の思い出(2009/2/20 作成)」の2曲はそのあらすじすらほぼ存在しない時点ですでに書き終えていたのは何かの予感だったんだろうか? 「輝いた貴方の時/あなたの忘れない」は、ミュージカルWickedの「For Good(あなたを忘れない)」を聞いて、自分がこの曲を作るならこのメロだ、と意気込んでいたのも確か。そして、寝ようとしたら浮かんできてしまったので慌てて起きて5分で譜面を書いたのも思い出深い。というのも、自分は浮かぶメロは本当に必要ならまた思い出せると信じているので、普段寝る時などに出たモノは垂れ流し放置している。それだけにこの曲は「今出さなければ」と思ったのかもしれないなぁ。 そしてオペラ歌手として高田氏(バローロ)・奥田氏(パルフェ)が確定した時点でおいら的には大変なことになる! そう、この2名が死神達の中でもっとも高位の存在で、むっちゃ登場し、むっちゃ歌い、でも主役じゃない。ってやつなんだよ!!!!!!!! おまけに他の歌い手はオペラじゃないの。素かクラシック。つまりなんでも混在合唱だったりソロだったり入り乱れるわけで、統一感とかそういうの考えるのってどこやねんってわけでつ。 しかも、当初の目標がロックミュージカル(笑  ←スイマセン、できませんでつた) 最初の難関だったのは、2幕の見せ場「ジュニパーとバローロが歌で戦う」曲。これを当初はこの演目のメロとしての基盤にしようとしていた。 この曲は最初から使えるモノも持っていたんだよ。 1994年9月、もう16年も前に作った「Just True The Sky」という曲だ。 当時の自分はPOPS作曲家を目指し始めてまだほんの2年ほど。音大を卒業したその年の秋に、世界的に有名な「We Are The World」のような曲を自分でも作りたいと思い、同じくプロを目指す作詞家KGちゃんが賛同して台紙として英語の歌詞を書いてくれた。そう、あくまでも台紙であって、自由にメロをつけるための詞。最終的には他の歌詞をつけようね、って書いてくれたの。それがまたいい詞でね。文字数もパネェ整頓のされ方。最高だった。もちろんあっという間にメロはついたよ。そして自分の声で録音してデモを作ったり、次の年にSG氏のソロ曲として彼が日本語歌詞をつけ、収録して自主カセットテープ(笑)販売までしたんだ。ライブもやったね。 そして、そのままその後はお蔵入り同然となった曲だった。 今、その曲はそのままメロを使うにはミュージカル的でないけれど、加工すればすげーカッコイイ曲になるのはあきらかにわかってた。それだけの技術が今身についていることもなんとなくわかってた。 でも、出来れば今回の為に新曲を書きたかったんだよ。 新曲の作業を1ヶ月以上行った末、たどり着いたのは「今、Just True The Skyを越えることが出来ない…」という悔しい現実だった。でも「Just True The Sky」は自分のメロ。これで行って不足はない事がわかってたから、この曲で行こうと決めたのさ。 デュエットにするのはそこそこ時間がかかったけど、まぁ編曲みたいなもんだからたいして問題もなく、このメロは再生・大幅変更して完成した。 ミュージカルはたくさんの曲、BGMが流れるけど、実はそのなかで覚えられる・記憶に残るのはせいぜい1・2曲。逆にそれぐらいのつもりで作らないと、曲が乱立してごちゃごちゃになってしまう。音は演技の補佐であり、増幅材であるのに観客を混乱させては意味がない。だから自分の場合は核となる曲を決めて、そこを中心に各曲が派生していく、という方針をとっているんだ。今回はこの「Just True The Sky」の改訂版「目の前にある命」を核にしようとしてしばらく各曲を作ってたんだけど、この曲はいいとしても派生するにはどうも印象に残らない。難しいメロやコードが多すぎる。いやしかし核になる曲を早く確定しないと、曲の乱立がやばいことになる……と悩み始めた。そんなとき、1幕最後の方に出てくる「タッチピーポー」が曲としては重要であることに気付いたんだ。この時点ですでにプロローグ曲が出来てしまっていて、この曲が「タッチピーポー」に繋がらなければいけないという縛りが発生、しかも「タッチピーポー」は語りかけ、そして同調するという進行のある曲なのでシンプルかつ印象に完全に残るメロ・声・伴奏・演技が伴わないといけない。 ……いやー、どうすんねん、ってしばし沈黙。 他にも初挑戦の歌って踊って話して進行してが延々続く長尺曲「ブラッシュアップ」も待ち構え、1幕終わりの陽気なダンス&歌混在曲、2幕頭の他とは全く雰囲気の違う、しかもなんかいろいろテンコモリにする曲、エンディング、バローロやパルフェのソロ・デュエットなど異常に(おいらにとって)難易度の高い曲が乱立! 「えー、まじ、どうしたらいいんすかー」 という状態で。 >>>>>>>>>>>>>>> そのうちつづく。

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